Bridging the Difference and effectively fostering change
Beyond Understanding
グローバル化・日本
・校則と
ヘアーブレイディング
Created by Aisha NajiNde
初めまして!
このプレゼンテーションに目を通す時間を作っていただきありがとうございます!
Aisha NajiNde
ニューヨーク生まれ、日本育ち。ガーナ人の父と日本人の母を持つ。日本とアメリカを行き来しながら育ち、美容師の母の影響で幼稚園の頃からファッションや美容に興味を持つ。自身のメンタルヘルスでの葛藤をきっかけに、幸福について化学的の視点から学ぶようになり、ウェルネスの世界に出会う。
360度の角度から幸せが広がるウェルネスの連鎖を作るべく、2020年にThe WelLiLi U.I.D.E.G Co. LLCを設立。幼少期に培った美容やファッションに加え、ティーンエイジャーの時から影響を受けた文化人類学など、様々な知識を含みながら色々なアングルからウェルネスをアプローチする。目ば苦しく変化する世界に追いつくため、常に最新の情報をアップデートすべく学びを続ける。Institute for Integrative Nutrition卒、University of the People 在学中 Health Science 専攻。ハーバード大学でのアフリカン・ビジネスの講習やとUCバークレーで心理学の講習を受ける。現在ウェルネス、ヘルス、ハピネス、ウェルビーングに関する100以上のディプロマや資格を保持する。National Wellness Institute、Spa & Wellness Association of Africa 現メンバー。
私は、ニューヨーク州ブロンクスでガーナ人の父と日本人の母の間に生まれました。母は、私が幼少期の頃からヘアーブレイディングやカーリーヘアなどを専門にした美容室を経営してきました。母の影響もあり2000年代初期からアメリカのブラックヘアー専門紙などを読み、アトランタやロンドンで行われているブラックヘアーコンベンションなどにも参加しています。ここ20年前後のアメリカでのヘアースタイルの思考の変化に加え、文化や時事問題などの変化も色々と見てきました。
また、ブラックというとアフリカン・アメリカンを最初にイメージする方も多いですが、父はガーナ人のでもちろんアフリカの文化にも触れ、ニューヨークに住んでいたころは、カリブ・アメリカンの黒人達のコミュニティーに行くことも多かっため、色々なブラックの考えや文化に触れてきました。私は、美容師ではありませんが、現在は母が代表を務めるHBA Japanで、カルチュアルな面やミックスの方たちがもっと自分が好きになれるような企画をしています。今回、コーンロウのことで日本で注目されていますが、この一件が起こる前から日本では厳しい校則が指摘されてます。特に黒人の移民学生やミックスの子達は、黒人特有の髪質が理解されていないことがあり苦労しています。今回の一件の前からこのことについては、もっと日本の学校で理解が深まるような活動したいと思っていて、母の専門的な知識と技術と私の文化面や裏付けをとった歴史、化学的エビデンスを合わせて資料を作ろうとしていたところでした。
日本人にも黒人にも、色々な考えの人がいますし、どれが正しいとか間違っているか決める権利は私にはありません。
でも、このような件が起こるたびに一部の意見が前に出すぎていたり、感情的になりすぎて間違った事実が出回っていることがあると感じます。今回の一件では、間違った知識を持ち文化の盗用にも見える行ないや装いをしているいるブレイダー達が前に出てきていたり、”黒人ルーツ”を否定されたことを問題視にしているのに、記事に出てくるコーンロウの写真見本が日本人だったり(黒人ルーツを持っている人は文化的に編み込みを大切に思う部分はもちろんありますが、それよりも編むことで髪をまとめる役割を果たすことができます。それなら、取材をする場合は黒人ルーツを持っている実際に編んでいる人の写真を参考にした方が説得力があると思います。)日本に住む他のミックスの子供や両親達の考えや、希望を聞く前にみんな感情が先走ってしまっているのではないかと感じるところがありました。
固すぎる日本の考え方などはこれからの多様性の中で、グローバルに戦っていく為にはフレキシブルになった方がいいとところも沢山あると思います。私は顔にはピアスをしているし、身体には20個のタトゥーが入っているので日本では温泉にも行けなければ、ジムにもいけずめんどくさいなとも思うし、もっと寛容になってくれればいいのにと思う時もあります。でも、日本では理由があってこういうことに否定的なことをわかった上で、自分が決めたことなので日本を悪く言いたくないし、日本にいる時はあまりタトゥーをあからさまに見せないようにします。髪を編んでいると勝手に遊んでそうと思われるのもすごく嫌ですが、実際髪の毛を編むことは不良のファッションと思っている人もいるのもわかっているので、どうしたらイメージが変わってくれるのかと考えています。
日本ではまだ全然黒人文化を知らない人も多く、触れ合う場所も少ないので、素敵なブラックカルチャーを知って欲しい!とも思います。でもそれと同じくらい、みんながわかり合って欲しいし、なるべくネガティブな感情を出さずに日本人も外国人もミックスの人もお互いの違いを尊重しながら、ポジティブな感情を分かち合って欲しいです。
みんなが心地よく過ごせて、より良い世界を作る為には歩み寄りが必要だと思います。
状況を変えたい時、誰か傷ついた人がいた時、自分が大事に思っていことを誤解された時など、
イラつきや、なんでわからないの!!!!という感情と早く意見を言わないと!とパッションが勝ってしまう気持ち。わかります。
今回は、このプレゼンテーションを通して戦略的に日本のお堅い人を変える為にはどういうアプローチをした方がいいかやどうやって黒人の髪質についてわかってもらう方がいいのか、今すぐ私たちができそうなエフェクティブなアイデアなどをシェアします。黒人のミックスの中にはこういう考えの人がいるんだなぁー程度でいいので、目を通していただけたら幸いです!
Aisha
"the attacks make opponents dig in deeper. If you want a chance at changing minds, you need a new strategy: Stop using your values as a weapon, and start offering them as a gift."
日本の現状
日本人はみんな一緒?
日本では人種問題や他の文化への理解が足りないなと思うことが多々あります。政治家も世界のニュースや傾向についていけていないし。先進国なのに、グローバルな思考に追いついていない部分も多いですよね。良くそんなことも知らないの?と思う人もいます。日本にも琉球民族やアイヌ民族など少数民族がいて、近年では移民も増えていますが、世界を見ても日本ほど多くの人が同じ言葉や文化などをにシェアしている国は珍しいことです。でも1987年以降統計が取られている、父母一方が外国籍で日本で生まれた赤ちゃんは毎年約2万人ずつ増えていてると言われ、両親またはどちらかの親が外国人の赤ちゃんを入れると30人に1人です。
日本でも外国人が近年増えてきましたが、多いのは東アジア系で
やはり見た目は日本人とほとんど変わらないと思います。人口の割合でみると、全体の2.8%が外国人でこれでも過去最高になりましたが、その内訳は1番多いのが中国人、2番が韓国人、3番がベトナム人です。
黒人はどのくらい日本に住んでいるの?
私もここは気になるところ。日本はアメリカとは違い人種をカウントはしていません。
アフリカ人は外国人人口全体の0.63%(18239人*2020年10月)で、アメリカ人は全体の2.55%(78990人)ですが、アメリカ人口のどのくらいが黒人ルーツを持つ方なのかはわかりません。
ミックスの子も日本で生まれると日本人とカウントされるので、その子がどこのルーツを持っているかはわかりません。
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日本でも人種の統計をとった方がいいと思いますか?
メリット*ミックスの日本人のデモグラフィックを詳しく知ることで、行政のあり方を多様にできる。
デメリット*日本人なのに”他と違う”ということが前に出てしまって差別が起こる可能性もある?
ついていけない学校
私の周りには、黒人がたくさんいるので、黒人の文化や常識が身近にあるのが普通になりますが、地方に住む人など今まで黒人を見たことがない人もいるでしょう。私も黒人のことについてはある程度知識がありますが、今まで触れ合ったことのない文化のことは全くわかりません。いきなりなんで知らないの!あり得なくない?と言われても戸惑います。
学校の先生の中でも、黒人ミックスや黒人の生徒を持ったことがない人も多いと思います。
だからといって心無いことを言うことはナンセンスですが、最初は戸惑いがある人や良くわからないと言う思いが勝ってしまう人も多いと思うんです。
Solutions:
どうしたら日本の学校でも多文化が受けいられるようになるでしょうか。
⓵ クラスでブラックカルチャーを楽しく教える機会を増やす。プログラムを作る。
⓶教師達にレクチャーをする。
わかりやすく髪質の特徴や、外国人/ミックス生徒達へのアプローチ方法をStep by Step
でガイドラインを作る。
⓷学校に一人ダイバーシティーカウンセラーをつけ、センシティブな問題が出た場合は相談する
そもそも校則っている?
私がもし校則を作る立場なら、髪の毛を自由にします。でもここは日本。今すぐに変えることはできないでしょう。高校は義務教育ではないので、自ら学校を選択できます。服装が自由なところもあったり、私立の学校はオリジナルの変わった校則があるところもあります。小学校・中学校は義務教育なので、行かない、変えるという選択肢は基本的にありません。
校則に関しては、嫌な気持ちをしているのは黒人系の人だけではありません。日本人でも色素が薄く髪の毛が明るいから染めろと言われたり、日本人でもカーリーヘアでパーマを疑われたり。校則の記事のコメントでは、ウクライナからの転入生に黒髪に染めるように伝えたケースもあると聞きました。下着の色が決められていたり、靴下の長さが決められたり、おかしな校則は無くした方がいいと思います。これから先校則に関しての議論は行われるべきだと思いますが、今、この瞬間にも黒人ルーツを持つ生徒達は学校に通っています。その子供達の為にできることは、学校や担任の先生に理解をしてもらえるように働きかけて許可をもらうことなのではないでしょうか。
学校でブレイディングを認められたケース
私の母の美容室にはたくさんのミックスのお子様達がいらっしゃいます。ほとんどが入学前に学校と相談をして事前に許可を取っているケースが多いです。私の母はとりあえず、Before・Afterの写真を学校に見せて説明をすることを進めていて、説明したのに断られたというケースは今のところ聞いたことはありません。
私は千葉の公立小学校に行きました。1年生の時はカーリーヘアのままで学校に行っていて何も言われなかったのですが、後ろの席の子から前が見えないというクレームがあったのでその時から髪を編んだりしていましたが、何も言われたことはありません。中学校は1年生のときしか行っていませんが、その時は髪を結んで行っていました。
ミックスの中には、カーリーヘアなのに縮毛矯正をしろ!と指導を受けたことがある人もいるよう。これは絶対にダメだと思います!!
今すぐに校則をなくすことなどは難しいと思いますが、今すぐにできることは↓
ナチュラルヘアーの状態と編んだりスタイリング剤でまとめた状態のヘアスタイルをまとめてガイドブックを作る。学校に送ることもできると思いますが、まずは保護者が簡単に学校に見せることができる資料を作るのはいいと思います。
確実な変化を起こす為には
なんで許可を取らないといけないんだ!多様性を認めろ!と思う気持ちもわかりますが、先ほど言ったように、黒人特有の髪質を実際に見たことがないという人の方が多いのが現実で、日本では髪を編む=ヤンキーなどという固定観念を持たれていることもあり、説明をして理解してもらわないと変わっていかないと思います。また、今日本には多くのブレイダーが文化盗用の本質をわかっておらず、私は黒人をリスペクトしているので大丈夫です。などと言っている人もいるため、ミックスの子だけ編むことを許可したら、他の日本人の生徒が私だってリスペクトしているのに!といじめの原因になったりすることも考えられます。(今すぐ全ての校則をなくせたら問題は解決しますが。。)やはり学校側にも理解してもらう必要があるし、生徒達にも黒人文化や特有の髪質について学ぶきっかけを作った方がいいと思いました。
ブーメラン効果を防ぎたい!
学校の上の人や、固定観念を持っている人などの考えを変えることは難しいといわれています。
こっちはいい方向に変えたいから伝えていても、人間はいきなりこう変えろ!あなたがおかしい!間違っている!差別主義者!などと言うと防御的になり、固定観念が悪い方向に行ったり、拒絶反応を起こすと言われています(boomerang effect)
。中にはめんどくさいし関わりたくないから、校則にコーンロウ禁止!と入れたり、入学面接がある場合、黒人ミックスは対応したくないから色々な理由をつけて優秀なのに受け入れられない可能性だってあり得ると思うのです。やはり、確実な変化を起こす為には少しずつ理解を深めてもらい、みんなが暮らしやすい日本を作ることが大切だと思います。
ジャマイカやアフリカ、アメリカでもまだまだ編み込みやナチュラルヘアが一般的に認められていない現実
多様な髪の毛があるのに認めない日本は時代遅れ!と思うかもしれません。アフリカとかアメリカなら普通にみんなやってるし!と思う人もいますが、実際はそうでもないのです。
アフリカでは、女性の場合カツラが主流で国で働く人など髪を長くブレイズにしていることなどはあまり見ないし、ちょっと色のついたエクステをつけていると派手だからやめろと言われることもあります。女の子はやはり手入れが楽なので髪を編むこともポピュラーですが、アフリカ人で髪の毛が超縮毛の場合は逆に編むのも大変すぎて、編むためにカールを伸ばしたりすることも。アフリカもアメリカの影響を受け今は徐々に変わってきていますが、男性の場合はドレッドロックスにしている人はたまにいますが地毛を伸ばす過程や手入れが大変なこともあり坊主にしている人が多いです。
また逆に好きで髪の毛をまとめていないでカーリーヘアにしていると髪を編まないの?まとめてちゃんとしなよと言われたこともあります。
ジャマイカでは2020年には,
92%がアフロ・ジャマイカ人なのにも関わらず、ドレッドロックスを学校や職場で禁止しても良いという法令ができたのです。
また、アメリカでは自由!と思われがちなのですが、2019年にCROWN法というアフロやロックス、ツイストなどを理由に差別をしてはいけないという法令が提案され、現在20の州で受け入れられましたが、アメリカには50州あります(一番最近はミネソタ州で通った)。この法令が通っていても理解されないケースはまだまだあって、DOVEが行なったリサーチによると、調査を受けた20%の25歳から34歳の女性が髪の毛のせいで職場から帰られた経験があったり、86%の子供が12歳までに髪の毛に対する差別をされたという経験があるというデータが出ています。
長くなりましたが、
最後まで読んでいただきありがとうございました!
黒人の中でも、髪を編むとガラが悪いと思われるから大人になって初めて髪を編んだという人も意外と多いです。アメリカの学校でもそうですが、アメリカの黒人の奴隷時代のことは少し学びますが、ブラックアメリカンの文化を学んだりする時間は少ないです。
ましては、アフリカには54カ国もありますが、アフリカのことを学ぶ機会はもっと少なく、アメリカの黒人でも今の流行っている編みの原点がどこから来ているか、最近まで知らなかったという人もいます。これからもっと変えていかないといけない部分はありますが、日本はただ単に無知なところが多いと思います。
黒人文化をもっと知ってもらう機会を作りたいし(差別のことを知ってもらうことも大切ですが、まずは楽しく文化を知ってもらうことも大切だと思います。)、日本の学校もすんなりと納得できるような資料作りとお互いに歩み寄るコミュニケーションが必要だと思いました!