黒人特有の髪質と髪質に適する髪型

作成:

一般社団法人H.B.A JAPAN

黒人特有の髪質と手入れについて


黒人の髪の毛は日本では一般的な直毛とは全く違い、特別な手入れやまとめ方が必要になります。直毛だと伸びる時は下に伸びていきますが、黒人の髪質(カーリーヘア)は縮毛の細かさなどにより横に広がりながら伸びていきます。


髪を結ぶや特定の長さに切ると言っても直毛と同じように扱うことは不可能です。編み込むことでコンパクトにすることができたり、専用のスタイリング剤を使うことで髪を落ち着かせたりすることができます。


洗髪や髪の毛を乾かしたり、結んだりすることだけに時間がかかることもあります。

健やかな気持ちで学業に専念する為にも編み込みは必要不可欠です。


*これらの写真のように髪が伸びても下には下がらず、

横に広がっていまいます。何もしないと縮まっていて、カールのタイプによって髪の収縮率は20%〜80%もあります。

よって何もしていないと絡まってしまい、毛量が多いと物理的にも髪を梳かすということや、1つや2つなどの少ない数で結ぶことも困難な場合もあります。

スタイリング剤なしの地毛の状態のサンプル写真

実際に学校で許可が下りたケース

下記に記載した写真は実際に学校で許可を得ることができた髪型です。髪を結ばず、そのままにした髪型と編み込みやスタイリング剤をつけてボリュームを抑えた状態です。

*ツーブロック トップコーンロウ

ボリュームが抑えられ地毛のままより清潔感がある

*フロントのみコーンロウ 後ろはスタイリング剤をつけたセット

ボリュームが抑えられフロントの髪も落ちてこない

*コーンロウブレイズ

カールタイプ4Cの縮毛が強い地毛を全頭編むことでボリュームが

さがり、日々の手入れが楽になる

*ハーフコーンロウ 後ろはスタイリング剤でセット

顔まわりはすっきりとコーンロウにすることで髪が邪魔にならない。

右の写真は髪の毛左半分がスタイリング剤をつけて

カールをまとめた状態です。

*その他、私立高校のスポーツ選手でコーンロウが

認められているケースや強い縮毛の生徒に

ドレッドロックスが認められているケースもあります。

専門家からの推奨ヘアスタイル例:男子学生用

・スタイリング剤使用スタイル

スタイリング剤を使用することで

ボリュームを抑えられる。

・ツーブロックマンバンスタイル

ツーブロックにカットすることで毛量や横に髪が広がるのを

防げる。

・コーンロウスタイル

編むことでボリュームや髪の広がりが抑えられる。

・ボックスブレイズスタイル

全体を編むことにより髪の立ち上がりや

ボリュームを抑えられる。

・パーマスタイル

地毛のカールよりも緩いパターンのカールに

パーマをかけることでボリュームが減り、

手入れもしやすくなる。

専門家からの推奨ヘアスタイル例:女子学生用

・縮毛矯正パーマスタイル

化学薬品によるダメージはあるが、ストレートにすることで

手入れがしやすくなる。

・コーンロウスタイル

・ボックスブレイズスタイル

コーンロウやボックスブレイズは地毛を保護する『プロテクティブスタイル』と呼ばれ

地毛のボリュームが下がって手入れがしやすいだけでなく、切れ毛や髪の乾燥からの

ダメージも防げる。

・パーマスタイル

パーマスタイルには、地毛のカールを少し大きめにして

ボリュームを下げ手入れをしやすくする場合と

縮毛矯正をやめて地毛のカールに戻すプロセスとしてパーマをかける場合がある。

・その他

学校毎に髪型に関する規則は色々ありますが、黒人特有の髪質で物理的に校則に従うのが

無理なケースとして


・髪が長い女生徒に対して耳の下で結ぶ→毛量の問題と縮毛特有の弾力性で膨らんでしまう

・髪を結ぶのは2つまで→毛量が多いと2つではまとめきれません。


水泳の授業の際は、コーンロウなどで髪をまとめないと水泳帽に髪が入りきりません。


林間学校や修学旅行などで宿泊する場合は、洗髪や髪の手入れに時間がかかってしまうため

コーンロウやブレイズなどのまとめ髪は必須になります。


縮毛だと顔まわりの生え際がどうしてもボサボサしてしまうので、

カチューシャ、ヘッドバンドなどの使用も推奨します。


*注意事項として縮毛矯正でストレートにすることを強制することや編んである髪を故意に切ることは

人権侵害になるので気をつけてください。



黒人及び黒人ミックスの生徒への対応や今後の校則改正などで

お困りのことがありましたら

下記までご連絡ください。


info@hbajapan.org 担当:ナジマ



著者プロフィール:


一般社団法人H.B.A JAPAN代表 名嶋 恵美子


配偶者はガーナ人でミックスの娘を持つ美容歴40年の美容師。

1990年代アメリカ在住中にヘアブレイディング技術を身につけ

帰国後ブラックヘアを専門に多くの黒人や

黒人ミックス達の髪を施術するためにサロンをオープンし、現在に至る。

サロン業務とは別にブレイダー(髪を編む専門美容師)の育成や

黒人特有の髪質の研究に日々取り組んでいる。

黒人とメンタルヘルスの問題にも

対応できるよう黒人有名大学ハワード大学教授から

黒人の髪の歴史やサイコロジーを学んだ日本人でただ一人の

サイコヘアピストの資格保持者。